自分と同じ病気で苦しんでいる人は、どれくらいいるんだろうか。
はじまりは、昨年の夏の出来事…
深夜に突然、心停止となり、異変に気がついた妻が119に電話をしてくれた。
駆けつけた救急隊員に電気ショックを受け、私は意識がないまま病院に搬送される。
電気ショックにより心拍は再開したものの、心停止から15分前後経過していて、元の状態に戻れるかどうかは難しいとのことだった。
『脳にも障害が残るかもしれない。』
『最悪は、植物人間になるかもしれない。』と医師に言われたそうです。
もし、妻が夜中に起きて気づいてくれなかったら、今はもう生きていられなかったでしょう。
病院へ救急搬送された…
病院に搬送されてからは、聞くところによると、心電図や心臓カテーテルの検査をしたが、心筋梗塞が原因ではなかったとのこと。
意識が戻らないまま集中治療室で手足を拘束され、低体温療法という治療で脳に障害が残らないように処置がおこなわれた。
その期間が4日を迎えて…
低体温療の治療が4日を迎えて、ようやく意識を戻したという。
脳や身体に後遺症もなく、意識が戻ったのは奇跡的だと言われた。
おそらく医師や看護師のみなさんがずっと治療を続けてくれたから…
家族の助けがあったから…
助かったんだと思います!!
意識が戻ってすぐに妻と面会したときには、自分がどれだけ家族を
心配させていたのか…
迷惑を掛けていたのか…
と涙があふれてあふれて止まらなかった。
意識が戻って…
その後は、2~3日集中治療室に、それから一般病棟に移った。
心電図に、MRI、CTなどいくつもの検査をしたが、はっきりとした病気は分からず。
ブルガダ症候群だと分かったのは、心臓カテーテルの検査をしたからだった。
ブルガダ症候群は、アジア人の多くみられ、男性が9割近く。30代~50代の男性が特に多いらしい。
突然、不整脈が起きて、心停止になることからぽっくり病とも言われている。
まさかそんな病気に自分がなっているとは思ってもみなかった。
日本人のうち約1000人に1人は、ブルガダ症候群だと言われているが、
私のように心室細動や心停止になる人はそのうちの1%くらいだそうだ。
治療方法は、現在は特に無く、植え込み型除細動器(以後はicd)を植え込むことになるそうだ。
icdは、スマホの半分くらいの小さな機械でAEDの代わりをしてくれる。
心臓まで伸びたリードは、心停止をした際に電気ショックを流して、心拍を正常な状態に戻してくれるのである。
(私は植え込み後も心室細動が起きて、icdによって命が助かっています。)
こうして自分の身体の中にicdを植え込むことが決まった。
icdの手術を迎えて…
当日、手術室までは、ストレッチャーで移動して、そこから自分で手術台に移った。
その後は麻酔を点滴して、呼ばれると手術は終わっていた…
全身麻酔だったのでそれほど怖くはなかったが初めての体験だった。
傷口の痛みも2~3日で落ち着き、無事に退院することができた。
私生活について…
こうして、私はicdを植え込んだ身体で生活することになったが、私生活はそれほど支障なく、生活できている。
さいごに…
当たり前のように生活を送れていたのに
突然倒れてしまった。
仕事もこれからというところだったのに!!
いつも悔やんでしまう自分がいる。
ただ、今生きていられるのは、家族の支えがあったからだろう。
入院中は医師や看護師の方に本当によくしてもらった。感謝しても、感謝してもしきれないくらい!!
自分の病気のことを書くことが恥ずかしいと思っていたが、ブルガダ症候群という病気と向き合っていきたいと思った。